プロテイン以外で筋肉量を落とさずファスティングを行うには

短期間で体重を落とせることで話題のファスティングですが、ファスティングを行うと脂肪だけでなく筋肉量も低下すると聞いたことがある方もいるでしょう。
そのため、一部ではファスティングにプロテインを取り入れると良いとの意見が挙がっています。
しかし、一方では、ファスティング中のプロテインは避けた方が良いという声も聞かれます。
どちらが本当なのかを探るためにも、今回はファスティングにプロテインを取り入れるメリットとデメリット、プロテインを活用する際の注意点、プロテイン以外で筋肉量を落とさずファスティングを行う方法をご紹介していきます。
ファスティングにプロテインを取り入れるべきかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ファスティングにプロテインを取り入れるメリット・デメリット

まずは、そもそもファスティングをすると筋肉量が低下するというのは本当なのか、またファスティングにプロテインを取り入れるメリットとデメリットについて解説していきます。

ファスティングをすると筋肉量が低下する?

ファスティングをすると筋肉量が低下すると言われている理由には、身体の糖分が不足した際に起きる「糖新生」という生体反応が大きく影響しています。
糖は、ダイエットでは敵と見なされがちですが、実は人間が活きる上では欠かせないエネルギーです。
そのため、肝臓や筋肉の中には、多糖類の一種であるグリコーゲンが常に蓄えられており、体の中の糖質が減少してきた場合には、グリコーゲンを分解することで糖質をつくり出しているのです。
しかし、ファスティングによって半日以上食べ物を口にしないと、肝臓や筋肉に蓄えられていたグリコーゲンもすべて使い切ってしまいます。
そこで今度は、糖質以外の物質によってグルコースがつくられ始めます。
この働きを「糖新生」と言い、糖新生には筋肉の主成分であるたんぱく質を分解して生じたアミノ酸などが使われます。
ファスティングによって筋肉量が低下すると言われているのはこのためです。
しかし、実際のところ半日から3日程度のファスティングで、著しく筋肉量が低下するとは考えにくいため、そこまで心配する必要はないでしょう。

ファスティング中にプロテインを摂取するメリット

健康的に痩せるためには、脂肪は落としつつも筋肉量は維持することが大切です。
上記でも説明した通り、一般的なファスティングで、筋肉量が一気に減ることはありませんが、それでも心配な方はプロテインを活用しても良いでしょう。
プロテインには筋肉をつくるために欠かせないたんぱく質が豊富に含まれているので、筋肉量の維持には効果的です。
ただし、プロテインの種類や飲むタイミングによっては、内臓に負担をかけてしまうこともあるため、注意が必要です。

ファスティング中にプロテインを摂取するデメリット

ファスティング中にプロテインを摂取することで筋肉量の維持には配慮できます。
一方で、ファスティングの最大の特徴でもある食事を制限することで内臓を休ませるという観点からすると、プロテインの摂取はデメリットとなります。
せっかくファスティングで内臓を休ませているのに、プロテインを摂取すればたんぱく質を分解するために内臓を働かせてしまうことになります。
結果として、ファスティングの効果が薄れ、努力が無駄になる可能性もあるのです。
どうしてもファスティングにプロテインを活用したいという方は、次の章でご紹介する「ファスティング中にプロテインを摂取する際の注意点」を参考にしてください。

ファスティング中にプロテインを摂取する時の注意点

ファスティングには必ずプロテインが必要というわけではありませんが、どうしてもプロテインを活用したい方は、以下の注意点に気を付けて摂取するようにしましょう。

植物性プロテインを選ぶ

ファスティング中にプロテインを摂取するのであれば、動物性プロテインではなく、植物性プロテインを選びましょう。
なぜなら、ファスティング中に動物性プロテインを摂取すると腸内環境が悪化する恐れがあるからです。
ファスティング中は基本的に食べ物を口にしたいため、些細なことでも腸内環境に大きな影響を与えます。
そのような状態で悪玉菌のエサとなる動物性たんぱく質を原材料とするプロテインを摂取してしまうと、腸内環境が一気に悪化してしまう可能性があるのです。
動物性プロテインには、ホエイやカゼイン、フィッシュ、ビーフなどが当てはまるので、ファスティング中はこれらのプロテインを避けてください。
反対に、ファスティング中におすすめするのは植物性プロテインです。
植物性プロテインとは、植物由来の食品を原料としたプロテインで、大豆が原料のソイプロテインが代表的ですが、最近ではエンドウ豆が原材料のピープロテインも登場しています。
植物性プロテインなら、腸内環境への影響を極力抑えて筋肉量を維持できます。

適切なタイミングで摂取する

ファスティングにプロテインを取り入れる際は、飲むタイミングにも注意が必要です。
適切なタイミングは、ファスティングを行う期間によっても異なりますが、最も手軽な16時間ファスティングの場合は、断食後または間食に取り入れるのがおすすめです。
断食後にプロテインを飲むと良い理由は、徐々に消化器官を目覚めさせられることです。
断食後にいきなり普段通りの食事を摂ると、血糖値が急激に上がったり胃腸に負担がかかって体調を崩したりする恐れがあります。
断食明けは、まずプロテインを摂取することで、これらのリスクを抑えられます。
また、間食にプロテインを取り入れると、たんぱく質を補える上に食欲が抑制されるというメリットもあります。

ファスティングの際にプロテイン以外で筋肉量を維持する方法

プロテインの摂取以外にも、以下の方法でファスティングによる筋肉量の低下を防ぐことができます。

アミノ酸サプリを摂取する

筋肉量を維持したまま質の高いファスティングを行うには、アミノ酸サプリメントの摂取もおすすめです。
人の体の約20%を占めるたんぱく質ですが、このたんぱく質を構成するのがアミノ酸です。
そのため、ファスティング中にアミノ酸サプリメントを摂取すれば、筋肉の元となるたんぱく質を補うことができます。
また、アミノ酸は筋肉だけでなく、皮膚や髪、血液なども形成しているので、ファスティングで美しく健康的に痩せたい方は、アミノ酸が不足しないように注意してください。

高品質な酵素ドリンクを活用する

ファスティングには完全絶食ファスティングやジュースファスティングなど、いくつかの方法がありますが、高品質な酵素ドリンクを活用した酵素ファスティングであれば、そもそもサプリメントなどで栄養を補う必要はありません。
優良なファスティングドリンクには、必須アミノ酸はもちろんのこと、ビタミンやミネラル、ファイトケミカルなど様々な栄養成分が凝縮して配合されています。
酵素ファスティングでは、これを食事の代用としているので、無理にサプリメントを摂取しなくても栄養は十分足りていると考えて良いでしょう。

今回は、ファスティングにプロテインを取り入れるメリットやデメリット、プロテインを活用する際の注意点などをご紹介しました。
短期間のファスティングで、急激に筋肉量が落ちるとは考えにくいため、基本的には無理にプロテインを摂取する必要はないと言えます。
どうしてもプロテインを取り入れたい場合は、植物性プロテインをタイミングに気を付けて摂取することがおすすめです。
また、高品質な酵素ドリンクを活用した酵素ファスティングであれば、筋肉や健康の維持に必要な栄養素がたっぷり配合されているので、プロテインやサプリメントにあれこれ悩まずに済むでしょう。